「ヴィーナスの土地」は情熱を抱いた4人の出会いから始まりました。その4人とは、作家でジャーナリストのヴァンサン・ブール (Vincent Bourg)、ワイン醸造と地質学の学位をもつフレデリック・ノー (Frédéric Nau)、パリのレストラン「カレ・ド・フイヤン」(「ミシュラン・ガイド」の2つ星)のシェフ、アラン・デュトゥルニエ (Alain Dutournier ) 、そしてこの企画の発案者ジャン=シャルル・ブエ (Jean-Charles Boué) です。
4人はともにフランス南東部、ピレネー山脈に抱かれたガスコーニュ地方の出身で、ガスコーニュ魂と精神をもち、前史時代から続く地に、野生ブドウのワインを生産するために集いました。この冒険は、はるか昔の風味と香り(ブーケ)の探求へと皆様を誘うことでしょう。
企画について
国立農業研究所(INRA)と国立科学研究センター(CNRS)がこの計画を支援し、協力しています。
「ヴィーナスの土地」は、生物の多様性と遺伝子の保存に参加し、未来の自然に対しての役割を背負っています。
私たちは環境の変化で脅かされつつある過去の農法の保全運動の一環として、自然な風味の再生を実現します。
野生ブドウの最も古い痕跡は、旧石器時代に遡りますが、いまや半ば姿を消しつつあり、「ヴィーナスの土地」は野生ブドウ(vitis silvestris) の唯一の保持者となってしまった次第です。
「ヴィーナスの土地」の企画は、野生のブドウを、私たちの祖先がしたように、栽培するブドウへと変化させる、その過程を観察し、体験するプログラムなのです。
栽培、そして醸造
「ヴィーナスの土地」は、環境に対する真の責任を意識しつつ、味覚の喜び、土を耕す喜び、そして耕作する喜びを組み合わせることを目的としています。
堆肥を基礎にした土壌の改良では、植物(イラクサ、トクサ、・・・)、鉱物(シリカ・・・)あるいは動物(牛糞につけた牛の角を冬の6ヶ月間地中に埋めて、やわらかく溶かして、細かくする)などを処理する準備などが、「ヴィーナスの土地」が用いるビオディナミ農法です。
野生のブドウという、これまで伝えられてきた遺伝子遺産を保護し、天体にあわせて農作業を行い、自然の産物を肥料として使用するビオディナミ農法を用いることは、「前史時代のブドウ」から「プレステージワイン」を探し求めるというこの企画の主要な要です。
「ヴィーナスの土地」は、皆様に、この時を超える旅に少なくとも5年の間、私たちと同行してくださるように提案いたします。